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中世城郭紀行

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【親記事】
【本立寺陣城(その2)】
鬼丸 : 2012/05/27(Sun) 18:49 No.69

本立寺陣城は、本立寺の裏山(七面山)一帯に広がり随所に山城の遺構が確認できる。韮山城包囲陣図によれば、蜂須賀小六の息子家政が約2千5百の軍勢で布陣している。登城路は、本立寺境内の鐘楼脇にある階段を登るとお稲荷さんのお社がある平場(曲輪)に着く。

そこから九十九折れの山道を登ること約10分程度で少し開けた場所に土塁が明瞭に確認できる虎口が見えてくる。この虎口は左右の土塁の並びが若干前後にずれて「食違い虎口」となっている。

ここから右手に横矢の効いた屏風折れの長土塁が延々と続き、長土塁は小曲輪を伴う箇所も散見される。途中、小曲輪を防御するための堀切が確認できる場所がある。

暫く長土塁と並行して進むと正面に七面山の御堂がある本曲輪に到着する。山頂に近い御堂のある付近は削平された平場となり、その背後には櫓台と思われる土盛や虎口遺構、更にその先には物見曲輪と堀切があり、南東方向へ続く尾根筋を警戒するためのものか。

本曲輪のある御堂から尾根伝いに北東方向へ下ると、少し高まりを持つ別の曲輪は見えてくる。曲輪の周りには腰曲輪を付帯し井戸跡もある。
井戸跡は現在でも水を湛えいるが、少々ドブ臭いがするので匂いをたよりに探せばすぐに発見できると思う。
このあと、尾根筋を浄念寺陣城方向へ下る予定であったが、ブッシュが酷く諦めて登城道を下る。

【写真左】
急な九十九折の登りきると現れる虎口遺構、藪の切れ目から急に視界が開ける。まさに虎が口を開けているようだ。

【写真中】
屏風折れの長土塁、正面や側面から鉄砲や弓矢を射かけられると逃げ場を失う。更に登城道の反対側は切岸状の断崖で、たとえ竹束を楯に進軍したとしても攻城兵は常に恐怖と戦いとなる。

【写真左】
小曲輪間を防御する堀切、かなり埋没しているようだが、輪郭は鮮明に残る。山城好きな人間にとって、山中でこの手の遺構を見つけた時の感動はなににも代えがたい。

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