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中世城郭紀行

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【親記事】
天空の城(山梨県南都留郡富士河口湖町、笛吹市御坂町)
鬼丸 : 2012/08/05(Sun) 21:20 No.90

今回は日本一最高所にある「天空の城郭、御坂城」をご紹介します。

夏山登山という訳ではないが、高いところ行けば少しは涼しいだろうと思い山梨県南都留郡富士河口湖町と笛吹市御坂町に跨る御坂峠にある御坂城を攻めた。標高は1571メートルちょっとした登山だ。

正確な統計が取られているわけでもないが、御坂城は、日本最高所にある城郭として城郭愛好家の間ではかなり有名であり、昭和四十年ごろまでは幻の城と言われていた。

現地案内版によれば「規模は東西700m、南北500m。戦国時代に修築し、それ以前の構築と見られる。甲斐国志による御坂城の名は幻の城として不明のまま忘れられていたが、昭和43年に城に関する古地図が発見され、驚くほどの規模の山城遺構が発見された。山城として鎌倉街道御坂峠の頂上を中心に稜線に塁壕をもって構築されたものである。鎌倉街道の要衝として国中地方を守る山砦であったものを戦国動乱の時代、北条氏が甲州侵攻の拠点に拡大修築したものと言われている。」

奥深い山城のように感じるが、アクセスは容易で東名高速ならば御殿場ICで降り国道136号で静岡県から山梨県に入り、国道137号へ、中央高速の場合は富士急ハイランドの見える河口湖ICで降り、同じく国道137号に入る。甲府方面へしばらく走ると「新御坂トンネル」があり、その手前を右折し県道708号に進入する。九十九折れの続く舗装道路を約20分ほど走ると正面に「旧御坂トンネル」と右手に「建物」が見えてくる。

この「建物」は「天下茶屋」といい、「太宰治」や「井伏鱒二」が滞在し執筆活動した場所として知られている。

この茶屋付近の空きスペースに車を止め、いざ進軍となる。なおトイレはあるが茶店が開店するまでは施錠されており、使用することができないので麓のコンビニあたりで用をたすことをお奨めする。

登城路イコール登山道であり、「旧御坂トンネル」の左脇より登り始める。登り始めてすぐに「太宰治」の「富嶽百景」に登場する「富士には月見草がよく似合う」の一節を記した文学碑がある。

登り口から峠に通じる稜線道まで登らなければならない。あまり距離はないが比高差が150メートル弱ある登坂路で心拍数が見る見るうちにあがる。どういうイメージかといえば、三角関数の1:2:√3の長辺を立てにした感じの登りである。

やっとのことで稜線道に辿りつき、呼吸を整え水分補給と装具の点検を行う。靴ひもなど細かいところまで気を使わないと山では命取りなる。また初めてのところでは地図やコンパス、GPSなどで常に自分の現在地を確認しておくことも必要だ。
ちなみに稜線道と茶店からの登り口の交差点を第1チェックポイント(bPCP)仮称する。

bPCPから御坂峠までは大きく6か所のピークを登ったり下りたりしなければならない。地図上で高低差と距離、自分の年齢を考慮して2時間かけての着陣予定とした。

御坂峠までは稜線上の林道を進むことになる。残念ながら富士山の見える場所はほとんどないに等しい。しかしながら山野草や奇岩が迎えてくれる。下界では見られない風景に、心なしか満足感を味わうことができる。

(つづく。)

【地図】
http://www.mapion.co.jp/m/35.556997_138.763444_8/?wgs=1

【写真左】
出発点の天下茶屋より富士山を望む。やや雲が掛かっているのはちと残念だ。画像下部は河口湖

【写真中】
稜線道を行く。山深さを感じて頂けるだろうか。このような風景がしばらく続く。

【写真右】
城址まであと30分、結構キツイ稜線だ。

単独表示 出発点.jpg 単独表示 稜線道.jpg 単独表示 登坂中.jpg
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