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ICHGAMI SHAMUSHO+市神社務所+

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【親記事】
秋霜三尺
野崎 準 : 2017/09/08(Fri) 07:48 No.624
11  雨続きの東日本と猛暑の西日本だった夏も終わりました。

「刀剣=五行では金・秋」を追いかけていましたら平安時代の『和漢朗詠集』が出てきました。「将軍」の詩歌の中に
「雄剣在腰 抜則秋霜三尺。雌黄自口 吟亦寒玉一声 順」
雄剣腰ニ在リ 抜ケバ則チ秋ノ霜三尺。雌黄口ヨリス 吟ズレバマタ寒玉一声。
源順(みなもとのしたごう)の漢詩で、将軍とは腰に名剣を携え口には雌黄(文書修正液)を含み義に違うことを許さない」という位の意味です。

 岩波日本古典舞楽大系の注釈には「雄剣=干将が雌剣雄剣を鋳造した(呉地記)。秋霜=呉の季札の剣は三尺、霜雪の如く氷の如くであったと言う」とあります。
 呉の季札(きさつ)は『史記・呉太伯爵世家』に見える春秋時代の呉の王子で、友人の欲しがっていた名剣をその死後に墓の木に掛けて去ったという故事で有名ですが、青銅器時代末期の話ですし、『史記』には「霜のごとき剣」は出てきません。

 幕末の国学者・歌人の橘曙覧が刀を贈られた時の歌に
抜くからに身を寒くする秋の霜 心にしみて嬉しかりけり
 とあり、土井晩翠の『荒城の月』二番の「秋陣営の霜の色」も秋霜=刀=植うる剣と対応させた言葉だという説もありますので、刀を秋霜とすることは一般にも周知だったようです。
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Re: 訂正
野崎 準 : 2017/09/08(Fri) 18:54 No.625
11 訂正
 呉太伯爵世家 → 呉太伯世家
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Re: 秋霜三尺
野崎 準 : 2017/09/30(Sat) 05:42 No.626
11  図書館で数種類の漢和辞典を見る機会がありましたので「秋」の項目を見ましたが、「秋霜」「秋水」「秋剣」などは最近の辞典では「秋霜烈日」関連で「秋霜」が出ている程度で、全く記述のない辞書もありました。

『和漢朗詠集』の秋霜三尺の解釈があまり詳しくないのもそのためかなと思いました。
 現代の生活では刀剣用語は遠い世界の言葉になって行きつつあるのでしょう。
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Re: 秋霜三尺
花散里 : 2017/10/02(Mon) 11:59 No.627
1 「秋水」で検索してみても、Hitするのは大東亜戦争終戦間際のロケット戦闘機か、思想家の幸徳秋水ですね。

富山県で昨年の6月に開館した「森記念秋水美術館」が、かろうじて・・・と言ったところでしょうか?

http://www.mori-shusui-museum.jp/
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Re: 秋霜三尺
野崎 準 : 2017/10/13(Fri) 17:22 No.628
11  旧制第二高等学校(仙台)の応援歌の「凱歌」に

♪秋水ひとたび閃めけば君は無人の境行く・・・

という一節があり、東北地方の新制男子高校でも応援歌として歌われ、「秋水」が名刀の事だとは皆知っていたはずです。

ただ出典が分からないのですね、明治は漢詩吟詠が盛んだった時代ですからどこかにあると思うのですが。
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