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冬の旅   野崎 準 : 2015/01/28(Wed) 18:31 No.554
10  冬の観光オフシーズンですが、京都では「冬の非公開文化財特別公開」が3月中旬まで行われています。

 東山の「六道珍皇寺」では奉納刀が展示されていました。一振りは「上総介藤原兼重」銘の刀で江戸時代に同寺の檀那赤松家により奉納されたもの、もう一振りは無銘・伝薩摩国元平の刀で薩摩拵の鞘・柄がついており、幕末薩摩藩関係の志士が奉納した物か、と解説されていました。この寺は「文才を買われて昼は朝廷に仕え、夜は冥界で書記の手伝いをしていた」地獄の派遣社員・小野篁ゆかりの寺で、収蔵庫の薬師如来像(重文)、小野篁・閻魔大王・鬼卒・冥官像(江戸時代)、参詣曼荼羅なども公開されていますが、刀剣の展示は予想外でした。

 非公開文化財以外にも寺町の本能寺宝物館大宝殿の「本能寺と法華文化」では伝・織田信長公愛刀の伝・三条小鍛冶宗近の太刀、伝・森蘭丸背負刀の無銘野太刀(三尺四寸六分)、粟田口国綱の太刀、山城国光の短刀などが展示されていました。さすが「天下布武」の信長公ゆかりの寺です。ただ気になったのは太刀と刀を刀掛に置く向きが逆な例があったこと、刀掛と刀身の間に「三角座布団」を挟んでいた事でした。

 鉄鋼の刀身と木製の刀掛、あるいは座布団などの繊維製品の緩衝材を接触させると、気温が急低下した時に木や繊維製品の湿気が金属の表面に結露して錆びの原因になる、と言われています。そのため博物館で展示する場合刀掛の刀が接する部分にアルミや鉛の板を挟んで、結露がそちらに生じるよう工夫するのですが。

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