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タタールスタン共和国から出雲のタタラを見学にきた、と報じられていました。
カスピ海の北端から北上した所にKazan(カザニ)という都市があり、その東方一帯がタタールスタン共和国です。「-スタン」が国名についているので分かるように現在の宗教はイスラム教です。鉱産物は石油と石膏となっていますが、この場所は古来鉱産物資源とその加工が盛んな「ユーラシアの冶金術のセンター」、ウラル山脈の麓で、隕石で有名になった工業都市チェリャビンスクやその西の精密金属工業の町ズラトゥストから山脈を越えた反対側の地域になります。そのためか「ヨーロッパで最初に鋳鉄を作り、宝飾技術も発達」と紹介されています。
中世には「黄金のホルド(ホルドはモンゴル王の幕屋=宮殿)」と言われたキプチャク・カン国の一部でしたから唐時代から鉄鋳物で知られた中国の鉄加工技術が伝来していてもおかしくありません。
ただロシアの南には国名に「−スタン」のつくトルコ系民族のイスラム国が多いので、この地の鉄器文化の源流はヒッタイト直伝、と強弁できるかも知れません。
韃靼=タタール=たたらの語源、説は明治時代から言われていました。ただし発音が似ているだけならポルトガル語にタララブェロ(祖父)という言葉もありますし、今は誰も問題にしていないようですが。
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