|
3月21日に海上自衛隊舞鶴基地の岸壁公開を見てきました。数日後にヘリ搭載護衛艦「ひゅうが」に旗艦をゆずり退役する護衛艦「しらね」の最期の姿も見てきたかったのです。
昭和50年代に瀬戸内海で沈没した旧海軍艦船の解体中に日本刀の束が発見され、その中に錆びていない刀があった、と話題になった事があります。まもなく防錆工学の先生が「あれは天照鍛刀所製のステンレス製品」と説明して正体が判明しました。
焼き入れ鋼は塩水に弱く、特に敵前上陸が主任務の海軍陸戦隊(海兵隊)などは軍刀としての日本刀の錆びに悩まされ、13クロムステンレス鋼が紹介されるとまもなく、昭和5年(1930)ごろから軍刀に使われていたようです。その後鎌倉市の天照山鍛刀所で大量生産されていたと聞きました。Fuller & Gregory “Military swords of Japan 1868-1945”1987にはここの錨の刻印が紹介され「海軍専用に作刀していた私企業」と注釈されています。 海軍士官の短剣も作っていたようですが、村田刀、満鉄刀などと同様戦後は機械作りの偽日本刀とされて伝製品はスクラップにされてしまい、海底に眠るのみとなりました。
自衛隊の観閲行進の画像を見ていますと最前列の士官が軍刀を抜いて敬礼する場面がありますが、現在の海上自衛隊では儀礼刀はどうなっているのでしょうか。
|