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戦前の雄山閣『日本刀講座』掲載の寒山・佐藤貫一先生の論文に:
「三条小鍛冶宗近に関する異説として…『雄剣ひとたび振れば三城を靡(なび)かせ、再び振るえば五城を破る。三城の巧剣、神霊を動かす』なる語により『三城巧鍛冶』が正しいとする書がある。謡曲『小鍛冶』から連想したのであろうが笑話的なものになっておる(要約)」という記事がありました。
三城、五城の詩の出典が不明ですが、わが国にも「三軍を壊滅させた」中国の名剣に匹敵する伝説があったようです。
この説がどこまで普及していたのかは知りませんが、郷土史史料の解説で「三条小鍛冶を三城巧鍛冶と誤記しており(訂正しておいた)」というのを見た記憶があります。また「祇園薙刀鉾の竿頭につく三条小鍛冶の薙刀は巡行中に刃が御所(平安王城)の方を向かないように取り付ける」のも何か関係するのかなと。
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