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京都国立博物館の「日本の仮面」展を見に行きましたら、平成知新館開館以後ずっと刀剣展示だった金工の部屋が「室町時代の金工」となっており、無銘信国脇指、長谷部国信短刀、春日神社から出たという備前則光太刀と黒漆塗り刀装具を正面に、南北朝から室町初期の甲冑が出ていました。
「鞍馬寺法師大惣仲間」管理の大鎧は14-15世紀の物ですが鎌倉時代大鎧の忠実な形式で驚きました。近世まで祭を警備する僧兵の鎧だったそうで、「まともに着用すると重くて動けない、あれは騎乗前提」と言われる大鎧が「騎兵はおらず徒歩武者だけ(動物愛護?のため・敵騎兵には大薙刀と長巻で対抗)の僧兵に着用されていたのが驚きでした。革小札製だと思いますが重量を知りたいと思いました。 あと祇園山鉾「橋弁慶山」の弁慶の胴丸、佩盾(ズボン形の膝の防具)が出ていました。現在巡行で使うのは複製で、京博寄託のこれが本物の甲冑だそうです。
兜を欠くものが多いのが残念ですが、大袖のついた腹巻・胴丸で、栴檀・鳩尾板の位置に杏葉がついたもの、兜の「しころ」が水平に近い物など、大鎧と当世具足の中間となる良好な資料が大半でした。館蔵・寄託品だけでこれだけの展示が出来るのが京都の凄い所でしょう。
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