|
古書店で『未刊謡曲集』をバラで求めました。謡本が伝わっているだけで現在演じられていない作品です。
ランダムに見ていくと『宮城野』『末の松山』『飛加見(日高見=北上)』『松島』など、東北に関係する曲がかなりあり、東北出身者としては興味がありました。 また奈良の刀鍛冶が石上神社で神剣の説明を受ける曲、源氏重代の「髭切丸」が「源義家が奥州攻めに用いた三振りの刀、波平・千手院と並ぶ東国舞草の刀」だという曲もあり、中世(江戸時代の作と考証されている物もありますが)の人々の刀剣に関する興味が知られました。
一寸意外だったのは『敦盛』の異伝に平敦盛を討った熊谷直実が「♪人間五十年、下天の内にくらぶれば…」とうたう場面がありました。織田信長が好んだこの節は「現行の『敦盛』にはない。謡曲でなく幸若舞の『敦盛』だろう」、と言われていましたが、歌われていたという異本もあったのかなと。
|