2007年7月20日 第3回出題「井上真改」


 今回は、「井上真改」でした。
 簡単そうで、実は大変難しい出題でした。
 新刀と鑑して、四字銘で紋があると言えば、柴田先生の解説どおりに井上真改と一平安代と見てまず間違いないでしょう。
 あの金筋の掛り具合や帽子が真改のママ見るものと異なり、一平安代も有り得るかなと推察しますが、鍛え肌と鑢目の説明で素直に真改に入札して頂きたいと思います。

 井上真改は、越後守国儔の門人にして初代和泉守国貞の次男(養子)で、元日向国飫肥の武士だったと言われています。
 元の名前を、「良次」とも「又八郎兵衛」とも言うそうです。
 伝承によれば熊沢蕃山について文学を修めた為、銘の筆跡がまことに見事であります。
 また、熊沢蕃山から刀鍛冶が「○○守」を名乗るはけしからんと言われ、寛文十二年八月銘から「井上真改」に改めました。
 天和二年十一月九日、五十三歳でその生涯を閉じました。

 今回も、一ノ札で大多数の方が「当」をとっており、まこと結構な入札でございましたが、上記にも書きましたとおり、薩摩新刀への入札や弟子筋への入札がございました。
 この札も頷けるものと思いますが、やはりその刀の持つ「位列(位)」を正しく掴んで戴きたいと思います。

それでは次回をお楽しみに。

竹屋主人