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平成24年7月の問題 真改 - 2012/07/01(Sun) 07:39  No.1137


単独表示 7月になりましたが、どんよりした曇り空で、なかなかすっきりしたお天気とは参りませんね。
四国よりも、北海道の方が30度を超えての暑さとは、驚きです。(@_@。

暑さ対策を十分にして、これからの季節を乗り切りましょう!(^O^)/。

では、さっそく参りましょう!!

※ 1回目入札期限1日〜7日
  2回目入札期限8日〜14日
  3回目入札期限15日〜21日

出題画像につきましては、左の画像をクリックして下さい。画像が展開されます。
また、画像が小さい場合は、もう一度画像を押しますと、最大画面となります。

☆☆☆☆☆☆ ☆☆☆☆☆☆ ☆☆☆☆☆☆ ☆☆☆☆☆☆ ☆☆☆☆☆☆ ☆☆☆☆☆☆ ☆☆☆☆☆☆

日本刀柴田・柴田和男様のご好意により、隔月誌『刀和』に過去掲載された誌上鑑定を、電脳倶楽部上に再現させて頂いております。
まことにありがとうございます。
『日本刀柴田』柴田和男様に、厚く御礼申し上げます。

入札内容は、最後まで公開しませんので、思いっきり!自分の考えを論じてください。(*^_^*)。

入札投稿の際には、暗証キーの設定もお忘れなく。(^^♪。
これがないと、投稿の修正ができなくなりますので。

さて、スタートの前に、簡単なお願いです。
月刊誌『刀和』の過去問題からの出題ですので、刀和を持っていらっしゃる方は、是非、まっさらな気持ちで、再挑戦してみてください。

初めての方は、誌上鑑定で、知らず知らずのうちに、著名な刀工の名前や特徴を憶えることができますので、刀和以外の刀剣関係書籍を総動員して、正解を目指してください。

誌上鑑定は、刀身の出来以外にも、茎の形状や銘の特徴や銘の文字数、受領銘や彫に至るまで、ヒントを出してくれています。

そこで、役に立つのが、藤代の『日本刀工辞典』です。
茎の押形がたっぷり掲載されています。
これで、目当ての刀工と照合するのも良いと思います。

そして、このコーナーで、問題と柴田和男氏の回答を見比べ、誌上鑑定の力を付けて、実際に刀を見るときの助けとして頂ければ幸いです。

また、こんな楽しい誌上鑑定を、隔月誌『刀和』には、掲載されております。
誌上鑑定と、刀剣を購入される指針として、『刀和』をお勧め致します。
詳細は、リンクから『日本刀柴田』へお入り下さい。

では、スタートです。(^o^)/。

回答は、7月28日頃と致します。


Re: 平成24年7月の解説 真改 - 2012/07/28(Sat) 07:15  No.1147
くま 単独表示  今回の答えは末古刀を代表する名工、備前長船の与三左衛門尉祐定でした。
 
 入札では圧倒的に祐定への入札が多く、まことに喜ばしい結果となりました。
 与三左衛門尉祐定については、第2クール第6回に詳しく解説しており、また、法城寺さんから、素晴らしい入札所見を送って頂いたので、今回は少し変わった角度での解説をしてみたいと思います。

 祐定は、銘鑑によれば南北朝期からその名前を見ますが、実際、その作品は確認されていないのが現状であります。祐定は、ご存知のように同銘が二代あって、初代が、永正から天文の間の年紀のものがあり、二代は、永禄から天正にかけての年紀のものを見ますが、鑑別するには刀姿を見れば時代の相違が出ており、初代に比較して見劣りする所があり、初代の作品と紛れることはないので、比較的容易に鑑定出来ます。

 世上、愛刀家の垂涎となっているのが、初代の与三左衛門尉であり、購入するとなれば、大枚を用意しないと、手元に引き寄せることは先ず無理でしょう。
 初代は、永正八年以前の作品に俗銘を切ったものがない、と言われています。
 そこで、数寄者の間で密かに珍重されているのが、俗銘のない永正年紀を有する祐定です。「永正祐定」と呼ばれ、銘振りや茎の出来の良いものは、明らかに数打ち物の祐定とは違い、与三左衛門尉祐定と同人説や、別の名人などと憶測されています。

 特に、「備前国住長船祐定」銘のあとに、「作」や「作之」、年紀は、「永正○○年二月日」ではなく、「永正○○年二月吉日」など、「吉」の字が加えられたものなどが要チェックポイントです。ただし、共通して言える事は、銘が楷書できっちりと切銘されているのが前提となりますので、斜行した字体のものは避けるべきでしょう。
更に付け加えれば、茎の色合いです。高価なチョコレートの様に光沢のある茶色であることが、必須条件であります。

 以上、少し変わった解説をしましたが、如何だったでしょうか。
 それでは今回はこの辺で失礼させて頂きます。


                            竹   屋   主   人


よっちゃんさん
 鑑定刀は小ぶりで映り、俗名があり刃の帰りが長いところから末備前と観て、焼き出しから先までの刃幅が広いので祐定系として銘 備前國住長船与三左衛門尉祐定 とします。


まるひさん
 短寸、無反、ふくらが枯れ、厚い作りで、映りがあるところから、末備前とみました。忠光、勝光、宗光、祐定、赤松政則。個銘の決め手がないのですが、所持銘と字数から与三左衛門尉祐定としました。


法城寺さん
 小板目に小杢よくねれ地沸つき地景入りとなるとかなりの名工。映りがあるという点から備前を考える。小振りな体配で重ねがやや厚いとなると鎧通しを考慮。
 五寸から六寸中ほどの長さは室町中期、後期末期の末備前だと七寸五分以上に延びてくることを鑑みると、則光、祐光などが候補に挙がるが、俗名入り・十四文字とあるので末備前勝光、宗光、祐定、清光まで範囲を広げて考える必要がある。長さ的には宗光によく見る体配であり、深く棟を焼くのも合致する。しかし、注文銘(所持者銘)は祐定・清光に多い。
 刃長を考えると後代の祐定・清光というよりも永享備前のすぐあと、勝光・宗光とも時期的に被るところのある初代の与三左衛門祐定が一番いいように思える。六寸〜七寸弱の現存品も初代には見かける。

※ 皆さんハイレベルな入札所見に脱帽です。(竹屋主人)