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平成25年7月の問題 真改 - 2013/06/30(Sun) 19:12  No.1298


単独表示 徳島では久しぶりの阿波刀の企画展示が、徳島城博物館で開かれています。
私も、ずいぶん刀剣と触れ合う機会から遠ざかっておりますので、訪れてみたいと思っております。

案外、郷土の刀剣がまとまって見えるなんて、なかなかないと思いますので、お近くの皆様は、ぜひ、お立ち寄りください。

では、さっそく参りましょう!!

※ 1回目入札期限1日〜7日
  2回目入札期限8日〜14日
  3回目入札期限15日〜21日

出題画像につきましては、左の画像をクリックして下さい。画像が展開されます。
また、画像が小さい場合は、もう一度画像を押しますと、最大画面となります。

☆☆☆☆☆☆ ☆☆☆☆☆☆ ☆☆☆☆☆☆ ☆☆☆☆☆☆ ☆☆☆☆☆☆ ☆☆☆☆☆☆ ☆☆☆☆☆☆

日本刀柴田・柴田和男様のご好意により、隔月誌『刀和』に過去掲載された誌上鑑定を、電脳倶楽部上に再現させて頂いております。
まことにありがとうございます。
『日本刀柴田』柴田和男様に、厚く御礼申し上げます。

入札内容は、最後まで公開しませんので、思いっきり!自分の考えを論じてください。(*^_^*)。

入札投稿の際には、暗証キーの設定もお忘れなく。(^^♪。
これがないと、投稿の修正ができなくなります。

さて、スタートの前に、簡単なお願いです。
月刊誌『刀和』の過去問題からの出題ですので、刀和を持っていらっしゃる方は、是非、まっさらな気持ちで、再挑戦してみてください。

初めての方は、誌上鑑定で、知らず知らずのうちに、著名な刀工の名前や特徴を憶えることができますので、刀和以外の刀剣関係書籍を総動員して、正解を目指してください。

誌上鑑定は、刀身の出来以外にも、茎の形状や銘の特徴や銘の文字数、受領銘や彫に至るまで、ヒントを出してくれています。

そして、このコーナーで、問題と柴田和男氏の回答を見比べ、誌上鑑定の力を付けて、実際に刀を見るときの助けとして頂ければ幸いです。

また、こんな楽しい誌上鑑定を、隔月誌『刀和』には、掲載されております。
誌上鑑定と、刀剣を購入される指針として、『刀和』をお勧め致します。
詳細は、リンクから『日本刀柴田』へお入り下さい。

では、スタートです。(^o^)/。

回答は、7月28日頃と致します。


Re: 平成25年7月の問題 真改 - 2013/07/29(Mon) 21:58  No.1310
くま 単独表示 今回の答えは「冬広」でした。

今年は初登場の問題ばかりで解説も苦慮しております。今回の出題の冬広もそうですね。
なかなか難題であったようで、ご常連の諸兄も回答にはご苦労されたことと存じます。

「冬広」と言えば、「若州冬広」が有名でありますが、この冬広の出自については二つの説があり、ひとつは、相州広次の三代目の子として応永二十四年(1417年)生まれ、明応十一年(1502年)没で「相州住冬広」と切銘のある作品が残されています。ふたつ目は、相州広次二代目の門人として、永和頃(南北朝期)に活躍したとの伝承がありますが、そんなに古い「冬広」の作品は現存していないのが実情です。

手持ち資料で冬広の最古の年紀作が、「明応三年八月○○日」というのがあり、その他に「永正十二年 七十三歳」と切銘したものがあると言われていますが、実質上の冬広初代の晩年作ではなかろうかとされています。

冬広一門は絶えることなく連綿として続き、幕末には高橋長信という名工を輩出したことは特筆されます。ここで面白い話をひとつ、「本能寺の変」を引き起こした「明智光秀」、実は四代目冬広の次男という説があります・・・。
余談ということで、興味のある方は歴史書或いは刀剣古書を紐解いてみて下さい。

さて、今回の冬広は若州冬広の系統ではありますが、分家筋あるいは弟子筋の冬広と言われる傍系で、永正頃に「伯州住冬広」があり、また、大永頃に「備前国住冬広」銘の作品があり、その後、天文頃に「雲州冬広作」があり、今回の出題刀がこれに該当するものと思われます。高橋姓を名乗っていることから、前述の高橋長信はこの系統の末裔と考えられます。

作風は、末相州風で地鉄は杢目に柾混じり、肌が立ち気味、沸出来でムラがあるものが多く、刃文は直刃や五の目乱れのものを見ます。帽子は乱れ込んで返りが長くなるものが主体で、茎はタナゴ腹風で先細るものと細らない二様が見受けられます。
短刀には、山城伝風な肌が詰まって美しく、細直刃を焼いた上品な作品が稀にあります。

それでは、今回はこの辺で失礼します。


竹  屋  主  人


私の見方

法城寺さん

体配から室町時代、黒ずむ鉄色と白けとなると北国物となり、加州真景、麻古当麻信長、藤島友重、宇多派の諸工が挙がってくる。真景と麻古信長は在銘の太刀は稀有なので外すと、藤島派か越中宇多かということになります。茎の形状の先の細る栗尻というのが「加州茎」のように受け取れるので、藤島系刀工を考えたい。
藤島系と言えば友重ですが、長銘と4字銘・2字銘はあっても3字銘はあまり聞かない。そこで宇多にも行きたくなるが、宇多にも3字銘は聞かない。3字銘を見るのは加州真景系刀工の中で家正、家次を名する刀工が数代あり、作の字を入れて3字銘の作を残している。
さらにその中で家正は、師系である真景風の作柄の物はなくむしろ藤島派に見るような作が多いとのこと。したがって加州家正とします。


まるひさん

法量、形態から室町期の打刀。ヒントから北国もの。宇多、藤嶋、冬広、真景、信長あたり。深くかえる帽子、こずむ刃などから藤嶋友重としました。


※ いずれも「当」の所見ではありませんが、鑑定のプロセスとしては非常に良く考察され素晴らしい所見だと思います。北国物と大まかに捉えて頂ければそれで「当同然」ということで良いのではないでしょうか。場違い物でも時として、本国物を凌駕する作品があることもお忘れなく。