和田島砦(韮山城砦群)
鬼丸 : 2012/06/05(Tue) 20:24
No.71
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今回は、韮山城に隣接する天ヶ岳に存在する城砦群の紹介です。この天ヶ岳一帯には、土手和田砦、和田島砦、金谷砦、江川砦(韮山城と城池を挟んで反対側の山)などがあり、多少の崩落や埋没の箇所がありますが人の手が加わらず、かなり良好な状態で遺されています。
【地図】 http://www.mapion.co.jp/m/35.047860_138.955222_9/?wgs=1
和田島砦は、天ヶ岳の支脈が南西方向に突きでたところに位置し、中心部には若宮八幡宮が鎮座し、周囲より一段と高くなっている。お社のある位置より一段下がったところに境内の広場があり、おそらく高台を含めたこの辺りが主郭と考えられます。
この広場の周囲は更に低くなって、腰郭とも帯郭とも言えそうな削平地が取り巻いている。広場の南側には虎口遺構が残り、その先約60〜70メートル位の間に長い土塁や数段に配置された曲輪らしきもの、また明らかに人の手によるものと思われる用途不明な窪地状の箇所も確認した。
また、神社の背部にあたる北側にはコンクリート舗装された取付け道があり、この道のためか曲輪らしき段状遺構が数箇所削られていた。
この道を麓下の部落方向に下ると、途中に天ヶ岳方向に続くケモノ道があり、この道沿いに小郭らしきものが点在しており、しばらくすると岩盤を堀削した大きな堀切に到達する。
砦全体は、高台のある主郭を中心として南北に数段の小郭を配置しその周りを腰郭などで補う形で、敵の進入を阻止するための堀もなく、あまり技巧的な砦ではないように感じる。捨て曲輪的な要素も多分にありますが、仮にここを捨ててしまったら他の城砦群への影響はかなりのものだと思います。
【写真左】 主曲輪と思われる若宮八幡宮のある高台、おそらく物見櫓的な構築物があったことが想像される。この位置は南側の虎口や北側の天ヶ岳方向に警戒の目をむけることができる。
【写真中】 高台下の境内及び虎口遺構、虎口の左側土塁が前方に突き出ているので、食違い虎口と思われ、また境内の広場は、捉え方によっては内枡形とも考えられます。 高台と広場を含めての大きさは30m×40m程度の広さで、広くもなく狭くもないと言った感じです。
【写真右】 ケモノ道に突如現れた大堀切、ちょうど土手和田砦と天ヶ岳砦両方に分岐出来る場所に位置しており、各砦への直接侵入を阻止するための遮断線であると思われます。岩盤を掘削して造られており、堀の中央には岩の土橋が残り、苔むして時代を感じさせます。堀切は土橋を中心に左右に竪堀となって谷底へ落ち込んでいます。
【駐車場】 江川邸と韮山郷土資料館共用の駐車場又は、蛭が小島の茶店の駐車場がお奨め。いずれも無料です。
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