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まだ若く何事にも意欲的(?)で、とりあえず元気だった頃は刀の手入れも楽しいものでしたね。 見慣れた自分の刀とは言え、当日の光の加減や、もしかすると自身の精神状態なども関係するものか、それまで見えなかった刃文の中の景色などが見えることもあり、思いを新たにしたものです。
加齢と共に手入れの間隔が空いて行き、最近では年1回の手入れがせいぜいで、刀に対し申し訳ない気持ちになることもしばしば… と言いながら、白鞘から抜いてみると錆などはどこにも無く、「もう少し大丈夫かな?」などと不埒な考えがチラホラ… 使っている鉱物性の油に助られていることが大いにある昨今…
今は亡き刀友鬼丸氏は、堺の岡村平兵衛製の丁子油がご贔屓で、親指の平で丁寧に塗っていたものでした。 ゆっくりと塗り広げていくと、それまでは隠れていた匂いや金筋などが浮かび上がってくると、手入れそのものを楽しんでいましたね。 丁子の香りは爽やかでもあり、身が引き締まるようでもあり、私も大好きな油でしたが、伝統的な製法で作られているだけに、伝統的な手入れの方法や頻度が欠かせず、病を得て手入れが思うに任せなくなってからの鬼丸氏の愛刀は、油焼けしてしまっておりました。
岡村平兵衛製の油が悪い訳ではなく、伝統的なものはどれでも同じように約束事があり、それを守ることが前提なのでしょう。 今の世の中のように、時短やコスパ・効率が重視される時代には、そぐわなくなってきているのかも知れません。
さて、真改さんがおっしゃるところの錆はともかくカビですが、やっぱりカビるものなのでしょうか? カメラ小僧だったころに、カメラのレンズはカビないように気を付けていましたが、刀についてはまったく考えたことがありませんでした。 鉱物性の油ではなく、昔ながらの椿油を主体とした植物性の油だと気をつける必要があるのでしょうか? |
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