一陽来復評定所
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整理をするということ   真改 : 2025/06/10(Tue) 19:26 No.7645
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白影 父が亡くなって6年が過ぎ、7回忌もすんだところで、長年そのままにしてあった父の物を整理することになり、二日に分けて行った。
丁寧に直筆で種別ごとに分けられた書籍をはじめとする愛用品は膨大であり、残すものと処分するものに分けるだけでも大変だった。
子や孫に対する愛情の深さを示すものもあり、私が36年前に贈った腕時計に付けた手紙も出てきた。
若き日の自分に再会するとは予想外だったので、思わず涙腺が緩んでしまった。

倉庫の処分品は2トンダンプが4台ほどと、軽トラック2台分にもなり、洋酒やマムシ酒、梅酒などにはじまり、戦前以前に生まれてすでに亡くなった兄弟姉妹の成績表や表彰状まで出てきた。これは、実家ならではのことだろう。
マムシ酒なんて、何十年物なのか不明なほどだが、解体業者は喜んで持って帰った。

地質学が専門であったので、文字通りに山ほどの岩石のサンプルや化石が出てきて、結局は倉庫の主要な場所を今も占有している。
岩石たちは、さぞかし日の目を見る事ができて、喜んでいることだろうが、これをどうしたものかと悩んでしまう。
軽トラック一台分はあろうかという岩石群である。
中には、横文字専門用語で岩石の種類や採取地まで書いてある。
専門家はマニアでもあるということか。

おそらくこの処理代は50万円はくだらないと推察され、私の物もいずれは子や孫に負担を掛けて処分してもらうことになると思えば、そういう金額も残しておかねばなるまい。

しかし、岩石は燃えないゴミ、不燃物や粗大ごみで持って帰ってくれはしないだろうから、庭に積み上げて行くしかないのか、とも考える。

そういえば、父の同級生の自宅も後を継ぐ人がなく、解体して更地にするときに、昔だからよくあった巨大な庭石の処分に困ったいたが、最後は削岩機でばらばらに砕いていた。時代の流れ。庭に巨大な石を置いていた一時代のこと。今では邪魔者扱い。
大きくなる庭木も同じこと。

というわけで、お金と時間を掛けて整理をしたのだが、達成感の裏には寂しさ100万倍の思いが沸き上がっていた。
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